自閉症の子の虫歯治療は歯科院なのか?障害者歯医者なのか?
自閉症の子が虫歯になったら
自閉症のお子様が虫歯になり、歯医者をどうしようか?
障害がない子でも幼い時期は、歯医者に連れて行くことも大変なのに自閉症の子を連れていくなんて。
幼稚園での歯科検診でさえも脱走して押さえ込まれてうけることもありました。
虫歯体験は誰もが通らなければならない道で悩むことだと思います。
りんは、近所の歯科医院、障害者歯医者のどちらも経験しました。
障害者歯医者とは
どのような人たちを診るのですか?
近所の歯科医院では、なんらかの理由で、上手に安全に診療を受けられない人たちが対象です。
待合室や診療室で騒いだり暴れてしまって迷惑をかけるので、
近所の歯医者さんには行きづらい。知的な遅れや自閉症などのために、歯の痛みを訴えられない人、
治療の必要性が理解できずに、上手に協力的に受診できない人身体の不自由や緊張から、治療を受ける姿勢が困難な人。 てんかんや高血圧症や糖尿病など他の病気や、内服しているお薬の
ため、安全に受診できない人。ムセや口に治療器具などが入ると嘔吐(吐きそうになったり)して
しまったり、歯科診療に極度の恐怖感をいだき、受診できない人。ご自身での歯みがきやお口の中を清潔に保つことが困難な人 安全に、食べ物を口から食べる、飲み込むことが困難な人。 ※日本障害者歯科学会ホームページより
どのような配慮をしてくれるのですか?
患者さん、それぞれの障害を理解し、保護者や介護者の方たちと
十分な相互理解のもとに診療を行います。知的な遅れのある人には、診療室、スタッフ、器具や治療に慣れて
もらいながら治療をすすめます。治療の順番を伝える絵カードや視覚支援カードなどを
利用することもあります。治療中の姿勢を保つためにクッションなどを利用したり、
安全のために、身体が不意に動き出さないようなコントロールを
行ったりします。点滴注射と安定剤などを利用して、ウトウトしたリラックスした
状態で治療を行います。全身麻酔を利用し、痛みを感じずに、集中的に治療を行います。 歯みがきの順番カードを利用しての歯みがき指導や、ご自身で
はみがききれない部分のクリーニング、口腔のケアを行います。食事の時の姿勢や食べ方、食べ物や飲み物の形態についての指導や
助言を行います。※日本障害者歯科学会ホームページより
近所の歯科医院での治療
りんが行った歯科医院さんは、障害者の子供たちの治療にも力をいれていました。ボールプールや基地のようなクールダウン出来るような設備もありました。
そこの歯医者の方針としては、無理に押さえつけたり縛ったりはしない。自分から座れるようになるまで訓練するので、週一くらいの頻度で来るように勧められます。
週一で行くのはお金もかかりますし、大変でした。椅子に座ることができずボールプールで口を開けただけでも治療費は発生するので違和感もありました。かといって普通の歯医者ではとても無理だったので仕方なく通っていました。
しかし、本格的に虫歯が進んで痛みだした時、治療が必要になりました。そこで、歯科衛生士さんと助手の方と私(馬乗りです。泣)3人でりんを押さえ込み治療することになりました。
その疲れと周りの目を気にするストレスは半端なかったです。それ以降、小児科の専門医に教えてもらった障害者歯医者に行くことを決めました。
障害者歯医者での治療
私が行った障害者歯医者の診察日は木曜日と日曜日のみです。
なので、予約もかなりとりにくいです。
りんは痛みがあったので、すぐに診てもらもらいたいことを相談して、待ち時間がありましたが診てもらう事ができました。
まず、歯医者に入った瞬間、大人の障害者の方の治療室から「痛いーやめてくれー」と大きい叫び声が響いて、りんはすごく怖がっていました。しかし、治療してもらわないといけないので仕方ありません。覚悟を決めて治療室に入りました。
治療室は個室にしてくださいました。
もちろん、りんが座るわけがありません。。。
そこで、身体が不意に動き出さないようなコントロール(抑えたり、包んだりする)かもしれないという説明をうけてサインを書きました。
りんは、動き回って危険だと判断され毛布に包まれて治療しました。もう、りんは、泣き叫んで気がおかしくなっていて、その姿が可愛そうで見ていられず、私も泣いていたのをよく覚えています。
でも、治療は短時間で1回で済みました。先生も衛生士さんもとても丁寧で優しいです。周りの目も気にする必要もないです。
4ヶ月に1回ほど慣れるために検診を勧められて、怖い経験を忘れたことにまた行くようなペースですが。
でも心配ありません。繰り返すことで慣れてきました!!
- 「ちょっとだけやで?」と言って少しの間、座れるようになり歯磨きをしてもらえるようになりました。
- 治療器(鏡など)を口の中に入れても少しの間、我慢出来るようになりました。
- 音のなる吸引器?なども我慢できるようになりました。
- 先生と話をして気を紛らわせれるようになりました。
ここで頑張って我慢すれば、押さえつけられたり動けない状態にされないことが分かったようです。
最近では、麻酔して前歯の2本連続抜く時も、泣いてはいたものの、押さえつけなしで離席せず最後まで頑張れました。私、今後は嬉し涙です。笑 本当にりんはよく頑張れました。
結論
りんの場合
- 近所の歯科院での治療は難しく、歯科検診程度であれば大丈夫。
- 障害者歯医者は初めは衝撃をうけるくらい怖い思いもするが、虫歯を治療しないといけない時は仕方ないことで、回数を重ねると少しずつ慣れてくる。
- 慣れるように先生がスモールステップで支援してくれる環境であり、連れていく側も周りの目も気にする必要がない。相談もしやすい。
- 障害者歯医者で落ち着いて治療できるようになってから、近所の歯科医院に移っても良い。
りんは自分で虫歯に対してすごく注意しています。歯科医さんに歯に悪いと言われたハイチュウ類は絶対食べません。すごく真面目〜笑
Oreoを食べた後、歯についた黒いものが虫歯になったと思い、すぐに歯磨きに行きます。笑
それだけ、虫歯になりたくない!怖い思いしたくない!という意識が芽生えて良かったです。
読んで下さり、ありがとうございました。