自閉症りんの感覚の感じ方
自閉症りんの感覚の感じ方について、考えてみました。
感覚過敏は、まわりからわかりにくく、努力や我慢が足りない、怠けていると誤解されやすいです。問題のように思える言動の背景に、見えている部分だけを見てしまい、怒ったり、ショックを受けたりすることがありますが、感覚過敏からくる苦手が隠れていることがあります。
本人にとってもなにが嫌で不快なのか分からず、まわりに伝えられないことが多く、辛い思いをしていることもあると思います。そこで、1番近くにいる親が理解者になってあげることが大事だと思い、もう一度、りんが不快に感じていることに工夫したり、変えていけることがあれば考えていきたいと思っています。
感覚の感じ方
- 同じ感覚過敏でも、感じ方はそれぞれである。
- 感じ方は、体調や脳の目覚め度合いなどで変動する。
- 1人の中でも感覚の種類により、感じ方は違う(感覚は過敏だが固有受容覚は鈍感など)
りんの五感に関する感覚
◆視覚
過敏です。人ごみや大人数の状況になると視覚情報が多くなり、体や頭をフラフラして落ち着かなくなり、自分の世界に入り混みます。自分の世界に入ってシャットアウトすることで楽なるようですが、指示が入りません。視覚優位です。何が楽しいのかどういう風に見えているのか分かりませんが、テレビを早送りしてみるのが大好き、電車や車で流れる風景を見るのも大好きです。
◆聴覚
鈍感です。大人数や夢中なっていると呼んでも振り向きません。発音が悪く音の聞き間違いが多いです。ゲームを「れーむ」と聞きとって認識していたり。音の出るオモチャをいつも耳の近くに当てて聞いています。
◆触覚
過敏です。特に手やお腹を触られることは嫌います。急に身体に触られたり、スキンシップを多くとってくるお友達が苦手です。自分が安心出来る相手は大丈夫です。これは療育施設でスキンシップ遊びなどでかなり改善されました。
◆固有受容覚
力加減ができず、物の扱いが雑でしたが、療育施設での繰り返しの訓練で問題ないくらいまで改善されました。自分でもそっと、優しくの意識を出来るようになっています。
◆前庭覚
100%鈍感です。家ではずっとトランポリンでピョンピョン!ジェットコースター大好き、幼い時はずっとクルクル回り、足りない刺激を求めています。これに関しては危険や誰かに迷惑をかけていなければ問題ないかなと思っています。自分の足りない刺激を補う方法知っているのは偉いですよ。っと、作業療法士の先生が言っていました。
感覚の感じ方と脳の働き
覚醒とは、脳の目覚めの程度をいいます。一般に覚醒が低いぼんやりした状態に、逆に覚醒が高いと興奮した状態になります。脳の覚醒が適切な状態にあることが、情緒の安定、学習、行動保証する条件なります。
脳覚醒調節するためには感覚刺激は必要不可欠なります。この感覚刺激の受け取り方に偏りがあると、以下のような可能性があります。
感覚過敏
感覚刺激に対して反応しやすいため、注意散乱な状態や、衝動的で攻撃的に見える傾向がある。覚醒は高い傾向にある。
感覚探究
足りない感覚刺激を補おう、多量の感覚刺激を取り入れようとするため、衝動的でリスクの高い行動とる傾向にある。
感覚回避
感覚刺激に対して反応しやすいため、怖がったり、過度に用心深い傾向にある。また、涙もろくて不安となりやすく、静かな場所や1人でいることを好む傾向にある。覚醒は高い傾向にある。
低反応
感覚刺激が脳に届きにくいため、覚醒が低く、ぼんやりしているため、注意集中が持続しにくい。表情が乏しく見える。
りんの脳の状態
りんの脳の覚醒が適切な状態でいれるときは、家の中にいる時くらいです。外に出ると感覚刺激の受け取りに偏りがでて、家の中とは違う状況になってしまいます。
上記でいうと、最近のりんは感覚回避が気になります。感覚刺激に対して反応しやすい傾向があり、自分自身も含めて、自分には関係ない人が怒られているシーンを見ることも怖がります。(テレビで怒られているシーンや悲しいシーン)
人の表情や声トーンにも敏感で、こっちが怒っているつもりはなくても、いつもと違う口調であれば「怒られた」と崩れて、1人になれるように押入れに入ります。
その都度、怒っていないよ、教えてるだけだよと声かけはしていますが、今の悩みの1つです。年齢が上がって少しでも改善されれば良いのですが。
精神科の先生には「この子は被害妄想なところがあるから怒らない方がいいです。丁寧に声かけして育ててあげて下さい。そうした方が将来、素直な良い子に育つよ。」言われましたが、こちらも人間なので、腹が立って大きい声で怒ってしまうことは、多々あります。。。永遠の課題になりそうです。笑
でも、脳は生まれもってもので、治すことは難しいです。そして、りん自身は何も悪くないということです。本人も脳感覚調節できなことが辛くて苦しいことで、それを伝えることもできない状況にあることをもう一度理解していきたいと思います。
読んで頂いてありがとうございました。
続く