子供との関わりーABA療育②
ABA療育のセミナーに行って、勉強になったこと紹介します。
私には下記のような行動原理に反した対応をしてしまうことがあります。自閉症のりんには意識して丁寧に対応していますが、長女に関しては心当たりがたくさんあります。自閉症に関わらず、全ての子どもに対して大切な関わりだと思います。
行動原理に反した対応をしていませんか?
望ましい行動を増やし損なう
- できているのに褒めない(子供なりに頑張っているのに)
大人「できて当然だもの」
- 褒めずに次の課題ややることを指示する
子供「頑張っても、やることが増えるだけだな」怒られないようにゆっくり学習するようになる。
- 一応褒めてみるけど、結局イヤミを言う
大人「甘やかしてばかりだといけないと思って…」
不適切な行動を増やしてしまう
- 「注目」という「ご褒美」を与えてしまう(怒っていても注目してくれるから。普段、注目されていないことが多い)
大人「どうして何度注意しても反省しないのかしら…」
子ども「いいことをしていても、誰も僕のことを見てくれないけど、イタズラをすれば、みんなが僕の方を振り向いてくれる」
- 大人が根負けして、子ども要求無条件に通してしまう。
大人「この子はいったん言い出すと絶対に聞かないから」
子ども「努力や我慢をしなくても、ゴネれば思い通りになるぞ」
注意!対応の「意味」は「相手の立場」で考える
褒める→やる気になる、叱る→反省する、とは限りません!
- 刺激に過敏な方は、大きな「褒め言葉」を嫌がっているかもしれません。
- こちらが叱っているつもりでも、相手は「注目してもらえた」と喜んでいるかもしれません。
「相手にとってどうか」が重要!実際に行動が増えているか、減っているかを記録をとって評価することが重要!
かんしゃくを起こす子どもの「親の行動」をABA分析
欲しいものがある | かんしゃく | 欲しいものが手に入る | |||
子どものかんしゃく | 子どもが欲しがっているものを与える | 子どものかんしゃくがおさまる |
親子の悪循環を分析すると
- 子どもの「かんしゃく」が強化されているけれど…
- 母親の「子どもかんしゃくに応じる行動」も強化されている
- 「強化された行動」は、将来起こりやすくなり、定着しやすくなるのだから…
- 母親の対応は、「自然なリアクション」であり、この悪循環はある意味で「自然な結果」、「誰にでも起こりえる当たり前の状況」であるといえる
なので
悪循環におちいっている当事者を責めないでください。自分自身を責める必要もありません。
悪循環を断ち切るために①
- 現在の問題が維持されているのは、行動の原理から考えると「当然のこと」であり、ある意味で「仕方のないこと」であると認識し、そこからスタートする
- 「問題を解決することは」とは、「自然なリアクション」と「あえて違う不自然な方法」を実行しようとする(場合もある)大きなチャレンジであることを共通認識する
悪循環を断ち切るために②
- 誰が悪いのか? → ×
- どこを変えていけばいいのか → ○
- どこなら変えていけそうか? → ◯
対象者に成功経験が必要なように、周囲の人にも成功経験が必要
- 「こうしてください」だけではなかなか持続しない
- 「やってみたらうまくいった」という経験が伴うことが重要
「罰的な対応」の問題点
罰的な対応には、確かに問題行動をやめさせる効果があるようです。しかし、罰的な対応だけに頼ってしまう問題点は何でしょうか?
罰的な対応の問題点
- 効果が維持しない
- その人の表現手段を全て奪ってしまう場合がある
- 罰は短期的にはきくが、長期は効かない
- 使う側は長期的になる
罰的な対応の副作用
- 罰に慣れてしまう
- 「見つからないようにやる」ということだけ学ぶ
- 罰を与える人との関係が悪化する
- 無気力で臆病になる
- 他者をコントロールするとき「罰をつかえばいい」とモデル学習してしまう
問題行動に対する対応の基準
難しい課題 | 問題行動
教材を壊す、破るなど |
難しい課題をやらずにすむ | ||
課題や難度や量を調節する | コミュニケーション方法を教えてあげる
「教えてください」 「休憩させてください」 |
問題行動をブロック適切な要求には対応する |
問題行動には「理由がある」
注目さえていない状況 | 問題行動 | 注目獲得
周囲からの注目 |
||
ほしいもの
やりたい活動 |
問題行動 | 要求
要求が充足される |
||
気悪的な状況 | 問題行動 | 逃避
そこから逃げられる |
||
手持ちぶさた
特定の感覚がない |
問題行動 | 感覚
特定の感覚が得られる |
問題行動にはその人なりの理由や目的、メッセージが込められています。
大切なのは適切な道筋を作ってあげること。
望ましい行動が増えれば、相対的に問題行動は減少する。
感想
セミナーに行ってとても勉強なりました。問題行動には理由や目的があることを理解していても、私の場合、まず感情が入ってしまい悪循環を起こす時があります。状況を客観的に見れたらいいのですが親子の場合、そうはいかないことがあります。
ただ、行動の原理から考えると悪循環は「当然のこと」であり、ある意味で「仕方のないこと」であると認識し、そこからスタートし、問題を解決することは、「自然なリアクション」と「あえて違う不自然な方法」を実行するという大きいチャレンジであるということを聞いて、ピンときました。頑張って大きいチャレンジをしてみようかなという気持ちになれました。
続く