自閉症かどうかを診断する心理検査
自閉症のりんが3、4歳の頃に特定のお友達に手を出すことがありました。
その時に言葉で何度注意しても、聞くことはありませんでした。
「お友達、何も悪いことしてないよね?」
「急に叩かれたらどう思う?とってもびっくりして怖くなるよね」
と声かけを続けましたが、おさまることはありませんでした。
精神小児科の先生に相談しても
「そんなこと言ってもダメ。その子と距離をあけるのが1番」と言われました。
確かにこだわりになっているようで、注意すればするほど本人は止められなくなるんです。
もしかしたら「僕は相手ではないから、友達の気持ちはわからない」と心の中で叫んでいたのかもしれません。
サリーとアンの課題
自閉症スペクトラム症であるかどうかを診断する心理検査に“サリーとアンのテスト”があるのはご存知ですか?
1)サリーとアンが、部屋で一緒に遊んでいる。
2)サリーはボールを、かごの中に入れて部屋を出て行く。
3)サリがいない間に、アンがボールを別の箱の中に移す。
4)サリーが部屋に戻ってくる。
5)この場面を子供に示して、「サリーはボールを取り出そうと、最初にどこを探すと思いますか?」と質問する。
正解は「カゴ」です。
何故その答えを出したのか…
「サリーはアンがボールを箱に入れ替えた事実を知らないのだから、当然、自分が入れたカゴを探す」
誰の気持ちになって(=立場になって)正解を導き出しだしたのか…
「サリーの立場に立って考えてみた」
正解できたのは “心の理論”が育っているから。だから違う人の立場に立てたのです。
でも、相手の立場に立てない子は「箱」と答えてしまいます。
りんに質問してみました。
やはり「箱」と答えました。
スマーティ課題
1)前もって子供から見えない所で、お菓子の箱の中に鉛筆を入れておく。
2)お菓子の箱を子供に見せ、何が入っているか質問する。
3)お菓子の箱を開けてみると、中には鉛筆が入っている。
4)お菓子の箱を閉じる。
5)「この箱をAさん(この場にいない人)に見せたら、何が入っていると言うと思うか?」と質問する。
正解は「お菓子」だけど、心の理論の発達が遅れている場合は、「鉛筆」と答える。
これもりんに質問してみました。
やはり「鉛筆」と答えました。
心の理論
これらのテストは“自らの視点ではなく、相手の立場に立って物事を判断することが出来るか”を調べるものです。
3、4歳の時にりんが友達が傷ついていることが分かっていないこと、納得できたような気がします。
いくら言葉で説明しても分かってもらえなかったことも納得できます。
今となっては手を出すことはなくなりましたが
自分がポケモンが好きだから、相手もポケモンが好きに決まっている。
友達と仲良くしたいけど、どういう会話をしたらいいのか分からない。
やはり今でも相手の気持ちや立場に立つことが難しいです。
年齢を追うごとにサリーとアンの課題など心の理論のテストの正解できるようになるかもしれません。
ただそれが日常の「相手の立場になってコミュニケーションを営む」に結びつかない。
心の理論の理屈はわかっていても、それが日常で使えない。
今は「相手の立場に立ちなさい」と言うのではなく
他人の視点を入れないで「それはやってはいけないこと」とシンプルに伝えた方がいいかもしれません。
りんの場合であれば、具体的に友達に声をかけるお手本を親が見せたり先生に教えてもらったり
友達の会話を目で見てパターンを増やしていく方法しかないのかな…と思っています。
コミュニケーションは教えることが出来ないので、難しいですね。
これでずっと悩んでいます。永遠に悩むと思います。
最後まで読んで下さりありがとうございました。