自閉症の特性〜他人が怒られていても自分が怒られているように感じる

発達障害を抱える人の中には、他人との境界が曖昧なため、知らない人が怒られていても、自分が怒られているかのように恐怖を感じ、悲しみ、怒りを覚える特性を持つ人がいます。

我が家の自閉症の息子はそのタイプです。

自分には全く関係のないことでも恐怖と悲しみを持ってしまいます。

私がお姉ちゃんを叱っていた時

全く関係がないのにわざわざ間に入って

「ごめんなさい、ちゃんとするから！」と言いにきます。

「りんには怒ってないよ、向こうで待ってて」と言っても

しばらくしてするとまた「ごめんなさい！」と言いにきます。

自分がごめんなさいと言って、怒っている人の気持ちがおさまるなら…という感じです。

頭では「自分が怒られているのではない」とわかっているようですが、「次は自分が怒られるかも知れない」という恐怖もあると思います。

「鬼滅の刃」のように悪者の鬼が出て

人間が刀で切られる怖いシーンは大丈夫なのに

「ドラえもん」でのび太が怒られるシーンはこわくて見れません。

犬が連れてどこかに連れていかれるシーンや

誰かがひとりぼっちになるシーンもダメです。

いわゆる精神的にくるものはダメなんです。

慌ててチャンネルを変えたり、号泣したりします。

そうなった時に、理由があってお姉ちゃんに注意していること

テレビの中の話で現実ではないことを説明しますが

分かったと言うものの繰り返すので、文脈を理解していないと思います。

精神小児科の先生にも相談しましたが、

「人間の因果関係が分かってないねん、それが自閉症やねん。」と言われました。

なんせ人の怒っている顔が怖い。大きい声を出されるのが怖い。

今はこちら側が注意して優しくゆっくり話してあげるしかないと言われました。

年齢があがれば「これは僕には関係ない、大丈夫と思えることもある」と。

こんな怖いことも言われました。

このタイプの子は優しく本当に丁寧に育ててあげないと

怒ってばかりいると、大人になった時に

「俺なんてダメなんだ、必要ないんだ」と思って社会に対して不満に思ったり

犯行に走ったりすることもあると…。

それを聞いてから接し方に気をつけるようにしました。

でも私も人間なのでイライラすることもあり、大きい声で怒ってしまうこともあります。

その度にりんは「ごめんね」「どうしたの？」と機嫌を伺ってきます。

その時にまた反省しての繰り返しです…。

周りがひくぐらい怒っているわけじゃないですよ？笑

こっちが怒っているつもりがなくても、声のトーンや表情で怖いと感じるみたいなんです。

学校生活でも私生活でも、怒られるシーンを見るのってすごく多くて

学校で先生がクラス全体に対して注意していることでも、1人涙を浮かべているらしいです。

毎日すごく気を張って生活しているんだな…と思うと可愛そうになります。

調べて見ると自閉症の当事者の声で実際にこのことで悩んでいる方が多いようです。

その方は「発達障害の特性だから仕方ないということで気持ちが100%収まるわけではないですけど、前よりはちょっとは気が楽になりました。」と書いておられました。

自分の障害や特性を知るってとても大事だなと思いました。

最後まで読んで下さりありがとうございました。