自閉症児の散髪は何に一番嫌悪感を持っているかを見極めることが大切
自閉症児を育てるにあたって1つの難関、散髪。
療育施設に通っているお母さんのほとんどが散髪の壁にぶち当たって悩んでいました。
今回は我が家のりんの経験と、他のお母さんの話をもとに上手くいく方法を書いてみたいと思います。
散髪を嫌がる原因
自閉症児が散髪を嫌がる原因として感覚過敏があります。
- クロス・刈布を首に巻くのが嫌だから。
- クロス・刈布をする意味が理解できない。首に違和感がある。
- 髪の毛を切るのが、神経をさわるのと同じで本当に痛い。
- 髪の毛がはさみにひっかかって痛い。
- 自分の毛が落ちているのをみるのが嫌だ。
- 容姿が変わるのがいや。もしくは怖い。わからなくなる。
- ハサミが怖い。音が嫌だ。
嫌がる原因はそれぞれだと思いますが、りんは、クロスを巻くのがアウトでした。
全く知らない人にいきなりクロスを巻かれて、首を触られるのがとても苦手。
今からハサミを持って僕は何をされるんだ〜!というとこだと思います。
りんの散髪、経験談
1.パパと一緒にパパのお友達の美容院へ行く。美容師さんと少しコミュニケーションを取れるようになってから、嫌がっていたが数分で終わるようにカットしてもらった。 ← カット成功
2.カット代金の都合で(笑)他の美容院へママと行ってみた。そこは子供が喜びような車に乗ってDVDを見ながらカットしてもらえる。っが、しかし、クロスを巻かれた瞬間、嫌だ〜と脱走。周りから白い目で見られる← カット失敗
3.パパが自宅でカット。携帯を見せながら気を紛らわして頑張っている。パパも回数を重ねる度に上達!!← カット成功 現在に至る。
1番目のパパの友達の美容院では、美容師さんとある程度、信頼関係ができてからのカットなので頑張れたんだと思います。
あと、パパのカットしているところを実際に見たことで、「ここは髪を切るところなんだ、大丈夫なところだと」安心感があったので成功したと思います。
それに比べて2番目の車に乗ってDVDを見ながらカットしてくれる美容院は、りんにとっては1番目に行った美容院とは違い、カットするところだとは分かりにくく繋がらなかったのだと思います。しかも、知らない人が急に現れて無言でクロスを巻かれることはとても怖かったのだと思います。やはり対人関係が弱いですね。
結果、今のりんには自宅カットが1番ベストだと思い、まずは安心した環境で少しずつ慣れることから始めることにして今に至ります。
DVDを見れる環境も良いですが、その他の情報も入ってくるので、りんには手元に注目できるタブレットや携帯の方が気が紛れるようです。
寝てる間にカット
感覚過敏が非常に強い場合、寝ている間に散髪するお母さんが多いですよね。
髪の毛を切るのが、神経をさわるのと同じで痛いと感じているのだとしたら、本当に辛いです。
本人にしたら、散髪どころではないはずです。
療育施設に通っていたお母さん達は、まだ子供達が小さいこともあり、初めての散髪が失敗で終わった場合は寝ている間にカットすることが多いようでした。
- 寝ている子供の枕もとへ行く
- 子供の毛束を少々つまみ、ハサミで切る
- そのまますぐに切った髪の毛をビニール袋に捨てる
- その作業を繰り返す
一日で全部完成させようとせずに、数回に分けて切るつもりで挑戦すると起こさず、成功することができます。
起きている間にカットするのは、散髪がどういうことなのか言葉の理解が少し進んでからでもいいかもしれません。
散髪を成功させるために試してみること
自閉症児は短時間でも変に押さえつけてやったりすると、ますます嫌な体験として強化されてしまいます。
どうしたら少しだけ我慢できそうか、色んな方法を試してみることも大事かもしれません。
- ごほうびを用意する。
- 大好きなおもちゃ、スマホを見せる。→ うちはこれで成功(ここぞとばかりに好きな無料アプリをダウンロード)
- 親や兄弟のカットしている姿をみせる、その日は切らない。それを何回か繰り返す。
- お母さんに抱っこしてもらいながらカットしてもらう。
- はじめは、ほんの少しだけ切って終わる → 徐々に長くしていく。
- 個人経営されている小さなお店で「貸し切り」「嫌がったらすぐ中断」など融通がききやすく、細かな事情にも対応してくれやすい美容院を探す。
その子の特性にあった方法を探す
散髪を嫌がる原因に、何に一番嫌悪感を持っているかを見極めることが大事です。
具体的には、りんは車に乗って楽しい雰囲気の美容院でカットしてくれるところより、個人経営のこじんまりした美容院の方が良い。
しかし、療育でのお友達は家のカットもダメだけど、車に乗ってカットしてくれる楽しい美容院だったら大丈夫だった。
1000円カットでスピード重視で切ってくれるところだったら大丈夫だったなど、子供一人ひとりで違ってきます。
自閉症育児は、散髪だけに関わらず何をするにしても、準備や練習、協力者が必要ですが、ひとつずつクリアしていくことで、本人の自信にもなります。
そのためには、何年もかかる覚悟でスモールステップで一つできるようになったら次の段階へと準備と練習が必要なのかなと思っています。
本日、りん散髪しました
先日、和歌山の塩津漁港へ釣りに行ってきたので動画にしました。良かったらご覧ください♪