自閉症りんのフラッシュバック
自閉症の人たちは、トラウマになりやすい傾向があります。
たとえささいなできごとであっても、それがトラウマになりパニックを起こします。
今回はそのフラッシュバックについて、りんの経験をもとに書きたいと思います。
フラッシュバックとは
過去の記憶を今起こったかのように感じてしまう、いわゆるタイムスリップ現象です。
- 自閉症の人は記憶の整理整頓が苦手で、忘れてもいい記憶と忘れてはいけない記憶の区別がつきにくい。
- 記憶が繋がっておらず、イメージ的には線でなく、点のようなイメージ。
- 何か引き金となる出来事があって起こる場合、暇な時や勉強している時などにも起こる時がある。
- 場面に応じた適切な記憶を想起すること、思い出さないようにすることが苦手。過去の記憶を想起してる際、現在のことが考えられなくなる。
りんのフラッシュバック体験談
りんは誰かに傷つくことを言われたトラウマは年齢的にまだありません。
もし言われていても、言葉の理解をそこまで出来ていないので、傷つくところまでいってないです。
主に嫌なシーンや体験から起こることが多いです。
【例1】
療育に通っていて、嫌いな牛乳が苦手で飲めないが一口は飲もうと訓練していた。
先生が「今日は牛乳ではなくお茶です。」と言ったが、先生の間違いでやはり牛乳であった。
そこで、りんはパニックを起こした。
その時のシーンは、机が使用できないので、お母さんの膝の上で飲みましょうの日でした。
その日以降、お母さんの膝の上での牛乳はパニック。一口飲めていた牛乳も飲めなくなった。
【例2】
家庭の事情で、幼稚園を遅刻して行った。
遅刻して行ったら、教室のお友達や先生は他の部屋にいて、教室には誰もいなかった。
りんは、どうしよう〜、置いていかれた、怖いよ〜とパニック。
その日以降、事情があっても遅刻の登園はパニック。
事情を説明して、先生が教室に待っていてくれても遅刻自体ダメになってしまった。
【例3】
誰かに(母も含めて)大きい声で怒られた記憶があり、りんにとってはとても辛い体験だったのでしょう。
テレビで誰かが怒られるシーンや、友達が怒られている場面にでくわした時、耳を塞いでとても怖がっている。
りんのフラッシュバックは過去にパニックを起こした同じシーンが連想されると起こるようです。
また、明日から学校という日曜日の夜に泣いて起きます。
怖い夢をみた場合は1日だけですが、毎週なので寝ている時にフラッシュバックが起きている可能性もあるのかなと思っています。
最後に
私も過去のことは楽しかった嬉しい思い出よりも、怖かった辛かった思い出の方が強く心に残っています。
母親が亡くなった時も、あれだけたくさんの楽しい良い思い出があっても、病気になって辛そうにしていた姿や、亡くなった日を思い出すことが多いです。
ふとした時に突然思い出してしまうことがあります。しかし、そんな時でも、その嫌な感情を振り払って、日常生活を続行できてしまいます。
しかし、自閉症の子は、ある考えが頭を占めているときには、それ以外のことを考えるのが困難であり、フラッシュバックの対象となった記憶を抑制することができなくなってしまいます。
急にギャーッと叫んだり、大暴れしたりというのは、実際に何か記憶がよみがえっているのかもしれません。
そのときには、フラッシュバックであることを子どもは認識していません。
単なる思いだしだよと言ってあげるだけでも、青年期になるとパニックにならないこともあるようです。
また、フラッシュバックに根本的は治療方はありませんので、周囲の大人の理解が大事になります。
私もりんがフラッシュバックを起こした時に、実際のところどう対応したらいいのか分かっていません。
今のところ場面を変えてあげるくらいしか出来ていません。
今後、人との関わりの中で相手の言葉に対しても傷つくことが増えてくるかもしれません。
その言葉をどう消化させていこうか、アドバイスしていこうか今後の課題です。。。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。